母子垂直感染による新生児 early-onset sepsis 予防に対するcefazolinの有効性に関する薬物動態学的評価

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Group B streptococcus（Ｂ群溶血連鎖球菌；以下，GBS）による母子垂直感染予防を目的として，破水入院時にcefazolin（以下，CEZ）を点滴静注し，その経胎盤移行性を薬物動態学的に解析を行い，GBSおよびE. coliに対する有用性について検討した．　明らかな感染徴候を認めない自然破水症例41症例を対象とした．妊娠中・後期に行った腟分泌物培養検査では，GBS 陽性例を4例（10.3%）認め，経口抗生剤投与およびポピドンヨード腟消毒による GBS 除菌を試みた．破水入院時，GBS 陽性は4例（9.8%）認め，その4例中3例は妊婦健診時にはGBSは検出されていなかった．また，1例はGBSが再検出された．　破水入院時より患者に対して12時間毎にCEZ 1.0gの点滴静注を行った．児娩出時に得られた臍帯血漿中および羊水上清中（出生児胃内容液上清中）CEZ 濃度は， GBS に対するMIC90（0.2μg/mL）を凌駕する強い抗菌力を示した．またE. coliに対してもほとんどの症例およびsimulation curve上，臍帯血漿もしくは羊水上清の少なくとも一方は，E. coli のMIC90（6.25μg/mL）を上回る良好な抗菌力を示した．なお，全症例において新生児に感染徴候を認めなかった．　以上，今回の薬物動態学的検討により，分娩時におけるCEZの母体投与は，GBSだけでなくE. coliによる新生児 early-onset sepsis の予防に有用であると推測された．〔産婦人科の進歩55（2）：184-190，2003（平成15年5月）〕

母子垂直感染による新生児 early-onset sepsis 予防に対するcefazolinの有効性に関する薬物動態学的評価

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