未知ビオチン活性物質の蓄積について
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概要
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土壌より分離した1細菌(N-4)の蓄積するビオチン活性物質について検討し,以下のような結果を得た. (1) N-4菌株は,ピメリン酸の存在下でビオチン活性物質を蓄積し,その主成分は7-ケト-8-アミノペラルゴン酸であり,そのほかデスチオビオチンおよび微量のビオチンを蓄積することが明らかとなった.さらに,これらの既知ビオチン活性物質のほかに, 2つの未知ビオチン活性物質を蓄積することが明らかとなった. (2) 2つの未知ビオチン活性物質は, S. cerevisiaeに対してはビオチン活性を示すが, L. arabinosusに対しては活性を示さない.ニンヒドリン反応陰性であり, p-DACAとは特異的に反応して特徴的な赤色を示すことから,ウレイド環を有する化合物であると考えられる. (3) 2つの未知ビオチン活性物質を加水分解すると,デスチオビオチン, 7, 8-ジアミノペラルゴン酸,およびニンヒドリン陽性物質が生成する. 7, 8-ジアミノペラルゴン酸は,デスチオビオチンがさらに分解して生じたものであると考えられる.したがって2つの未知ビオチン活性物質は,デスチオビオチンとアミノ酸との結合型であると推論した.
- 社団法人 日本農芸化学会の論文
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