黒斑病甘藷の研究 : (第1報)黒斑病甘藷精油成分の驅蟲作用に就て
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
1. 甘藷に黒斑病菌を接種して人工的に腐敗させ,水蒸溜によつて得た溜出液をエーテルで抽出して,甘藷の約0.14%の精油を得た. 2. この精油を減壓分溜して5フラクションに分けた.4mmHg,130〜135°のフラクションは苦味強く.且有毒でイボメアマロンであることを,2, 4-ヂニトロフェニールヒドラゾン(mp. 148.5°)及びセミカルバゾーン(mp. 132.5°)の生成によつて確めた. 3. 4mm Hg, 120°以下のフラクションは苦味はなく,イボメアマロンではないが,強い毒性を呈することを認めた. 4. ミミズに對する毒性をサントニンと比較した結果,驅蟲效力順位は次如くであつた. No. IV(4mm Hg, 130〜135°)>No; I (4mm Hg,120°以下)>サントニン°No. III (4mm Hg, 125〜130°)>No. II (4mm Hg, 120〜125°)>No. V (4mm Hg, 135〜140°) 5. イボメアマロンは7500倍水溶液で,ミミズを6時間後に75%,20時間後には100%殺し得,その効力はサントニンとりもやや強かつた.
- 社団法人 日本農芸化学会の論文
著者
関連論文
- 体内ビタミンと抗生物質の関係 : (IV)テラマイシンと初生ヒナの発育ならびに体内ビタミンの変化
- 抗生物質と体内ビタミン(III) : テラマイシンおよびビタミンK_3と成長および体内ビタミンA, B_1,B_2,C
- 体内ビタミンと抗生物質の関係(II) : 臓器ビタミンおよび成長とテラマイシン
- Co60体外照射と泌乳 : I. 乳量・乳脂肪・血球・妊産等に及ぼす影響
- ウレアーゼの分布に就て
- Ethyl 3-quinolinecarboxylate, ethyl 4-isoquinolinecarboxylateおよびその誘導体のGrignard試薬によるアルキル化
- 3-キノリンカルボニトリル, 4-イソキノリンカルボニトリルおよびその誘導体とグリニヤール試薬の反応
- 尿素誘導体の動物体内における消長
- ヘミセルローズの研究 : (第1報)ハゼヘミセルローズの組成
- 発酵蒸溜残液の活用に関する栄養学的研究(第1報) : ブタノール発酵蒸溜残液中の不溶物について
- 第 12 回農薬科学シンポジウムを顧みて
- 黒斑病甘藷の研究 : (第3報)イポメアマロンの化學的性質に就て
- 黒斑病甘諸の研究 : (第2報)黒斑病甘藷精油成分の毒作用に就て
- 黒斑病甘藷の研究 : (第1報)黒斑病甘藷精油成分の驅蟲作用に就て
- 蛋白質および微量養素の給源として発酵蒸留残液の活用
- 尿素系化合物の栄養性 : I. 尿素加熱物とビウレツトのネズミに対する作用
- 日本野草の研究V
- ヘミセルローズの栄養価値岩田久敬
- 体内ビタミンと抗生物質の関係(I) : ビタミンA, B_1,B_2,Cとテラマイシンおよびペニシリン
- 繊維質の消化利用に関する研究-5-
- フッ素害およびその防除に関する研究-1-