ヘミセルローズの栄養価値岩田久敬
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概要
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ヘミセルローズの栄養価値について研究した結果を要約すれば次の如くである。1 稻藁を初め各種野草の纎維中のαβγ各セルルローズの分布を調べ,且つペントザンの分布を調べた。2 本邦各種飼料中のペントザンの家畜消化率を比較したが,その間に明かな関係はなく一般にペントザンは消化が良好で,良質草類では70%石灰藁では80%位の消化率を示した。3 藁類をアルカリ処理すればペントザンの消化がよくなることを示した。4 藁稈類の醗酵処理が過度な場合にはペントザンの消化率が著しく低下することを認め,過醗酵の弊害の一つは有效ペントザンの消耗にあることを認めた。5 高等動物消化管中には多数の微上物がいてヘミセルローズの消化分解をなすことを認めた。6 種々のヘミセルローズを家兎に与えて体内グリコーゲンの増加を実験した結果,何れもよく利用され多量のグリコーゲン増加を来たすことを認めた。7 白鼠のような雜食動物ではヘミセルローズは体内グリコーゲン増加を来たすことが家兎に比べて少いことを認めた。8 白鼠のような雜食性の動物ではヘミセルローズは何れも消化され難く,その消化率は35%内外に過ぎぬことを認めた。9 飼料中に見出されるへミセルローズ中最も重要なものとして,キシランの家兎による同化作用について呼吸代謝的研究を行つた結果,体脂肪生成量は消化物1kgにつき269gで澱粉の場合の264gと略々等しいことを認めた。10 キシラン可消化物1kgの正味エネルギーは2552Calで澱粉の場合の2503Calと略各々相等しいことを認めた。
- 社団法人 日本畜産学会の論文
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