ウレアーゼの分布に就て
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概要
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1 荳科植物の茎葉中でウレアーゼを多量に含むものは,ヘアリーベツチとふじで,これに次ぐものは,みやこぐさ,にせあかしや,うまごやし,やはずそう,めどはぎ,大豆,ルーピン(ブルー)であつた。他のクローバー,れんげそう,アルフアルア,くず,はぎ,なつまめその他27種は殆ど含んでいなかつた。2 荳科以外の植物の茎葉にはウレアーゼを殆んど含んでいないが,然しあかざ,ははこぐさ,ひめすいば,かぼちやには少量含んでいた。3 エンシレージではえんばく,とうもろこしと雑草の何れも含んでいなかつた。4 普通の乾草には殆んど含んでいないが,荳科植物の生茎葉中に多量に含んでいたものも,乾草にすれば著しく少くなつた。またクローバー乾草を糀化したものにも含んでいなかつた。5 種実では大豆及びひめくずの熟した種実には甚だ多かつたが,小豆,ささげ,ベツチには殆んど含んでいなかつた。荳科以外の種実では瓜科の種実に多かつたが,他科植物の種実には殆んどなかつた。なお未熟豆類には熟したものに比べてウレアーゼが少かつた。6 加工粕類その他では豆腐粕,糠麸,胚芽,米糀,コプラ粕,菜種粕,米国産大豆板粕等凡て殆ど含んでいなかつた。然し本邦産大豆丸粕及びバラ粕には少量含んでいた。7 牛の第一胃内容物では稀に僅かに含むものがあつたが,多くは殆ど含んでいなかつた。8 要するにウレアーゼについて注意すべきは大豆,大豆粕,数種の豆類,瓜類の種実及び生草類の数種に過ぎぬことを認めた。即ち普通に用いられる飼料では大豆及び大豆粕が主なものであつた。附記 本実験に当つて材料につき便宜を与えられた福岡県種畜場宇都宮場長及び中国農業試験場林技師に謝意を表する。
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