アミノ酸の比色定量に関する研究
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概要
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天然物試料中のアミノ酸をイオン交換樹脂及びpaper chromatographyで分離し, ninhydrinで発色し比色法で定量するアミノ酸の微量定量法を確立した. (1) イオン交換樹脂はAmberlite IR-4B, Amberlite IRC-50をを用い,アミノ酸を酸性,塩基性及び中性の3群に分離する,更に塩基性アミノ酸はbuffered Amberlite IRC-50を用いてarginine, lysineの群とhistidineとに分離する.脱著剤としては塩類の影響を少くする為塩酸を使用する. (2) 群別したアミノ酸のfractionの内,酸性アミノ酸はn-butanal: acetic acid: water (4:1:5 vol.)を展開剤とし,塩基性アミノ酸はpH 5.0 buffered phenolで展開し,中性アミノ酸は両方の展開剤を使用する.展開剤としてphenolを使用する場合はα-benzoin oximeを安定剤として添加し,発色前にetherでphenolを除去する. (3) Ninhydrinによる発色は予備発色を本発色に分けて行う,予備発色により的確にspotを切り取る事が出来る.本発色はNaOHでアンモニアを除去した後hydrindantinを添加したninhydrin試薬で発色し,波長570mμで測定する. (4) 以上の方法でアミノ酸を定量するとα-NH2-Nとして1〜5mcgのアミノ酸が±5%以内の測定誤差で定量する事が出来る. (4) Paper chromatogramのTotal color density methodによるアミノ酸の定量法は操作が繁雑であり.測定誤差も±10〜20%で不正確であるが, α-NH2-Nとして0.1〜1mcgの範囲まで測定する事が出来る.
- 社団法人 日本農芸化学会の論文
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