Na-p-Aminosalicylate (PAS) による蛋白質の変性に関する研究 : (第5報)PAS変性蛋白質の旋光度について
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
血清アルブミン及び卵アルブミンの旋光度に及ぼすPASの影響を見るに尿素の影響と異りpHの影響を極端に蒙る.pH 8以上のアルカリ性においては旋光度はPASによつて寧ろ低下した.又pH 8以下の酸性ではPASのかなりの低濃度において旋光度は増大するがアルカリ側においては相当高濃度において初めて増大を示す事を明かにした. 以上の結果変性に際しての旋光度の増大は蛋白質分子のunfoldingのみによつて起るものではなく,unfoldした蛋白質にPASが結合しペプチド鎖のrefoldingが行われ,例え形態的には大した変化はなくても,その時初めて旋光度の増大が見られるもので,その結果推定される不斉炭素の回りの基の自由回転の束縛乃至分子内の環構造の再形成が一義的な意義を持つ事を推定した.尚disulfide結合は上述の現象に対し一種の抵抗を示す事を推論した.
- 社団法人 日本農芸化学会の論文
著者
関連論文
- 14) Glycol Celluloseを基質とするCellulase活性の測定について
- リシンの毒作用に関する病理学的研究
- まぐろ表皮中のフラビンについて
- ヒマ毒タンパク質リシンの構造と毒性
- ヒマシ粕の飼料化に関する研究(I) : 除毒法
- オニヒトデの毒素成分に関する研究 : 第 1 報 棘皮中に存在する毒素の分離と 2,3 の性質について(農芸化学科)
- 蛋白質の構造と酵素活性についての最近の二,三の知見
- Na-p-Aminosalicylate (PAS) による蛋白質の変性に関する研究 : (第7報) 単分子膜法による卵アルブミンとPASとの結合に対する検討
- Na-p-Aminosalicylate (PAS) による蛋白質の変性に関する研究 : (第5報)PAS変性蛋白質の旋光度について
- 毛髮の化学的研究 : (第1報)毛髮中の含硫アミノ酸特にランチオニンについて
- 酵素制御機構序説
- 7. リゾチームの活性基の検索
- Na-p-Aminosalicylate (PAS)による蛋白質の変性に関する研究 : (第6報)卵アルブミンとPASとの結合について
- 毛髪の化学的研究 : (第5報) 毛髪蛋白質と酸(塩酸)及び塩基(苛性ソーダ)との結合について
- 毛髮の化学的研究 : (第3報)毛髮の過酸化水素による酸化(其の1)過酸化水素処理毛髮ケラチンの物理化学的性質について
- ヒマシ粕に含まれるricinineの毒性について
- 毛髮の化学的研究 : (第4報) 毛髮に対する高濃度過酸化水素の作用機構について
- Na-p-Amino salicylate (PAS) に依る蛋白質の変性に関する研究 : (第1報) PAS溶液中に於けるSerumalbumin及びHemoglobinの沈降恒数に就いて