アスパラガスの性状に関する研究 (第1報) : 秋季地下茎に見出される芽の数と翌年の発生茎数との関係
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概要
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アスパラガスの地下茎には,秋季すでに翌春萠芽すべき芽が形成されているが,その芽の数と翌春実際に発生する茎数との関係を,収穫期間を異にする3区を設けて検討した。 1.発生茎数は,前年秋に見出される芽の数にも多少関係するが,むしろ,収穫期間の長さに,より大きく影響される。すなわち,全然収穫を行なわない区では,発生茎数は前年形成された芽よりはるかに少ないが,収穫を長期間続けた場合に発生する茎数は,必ずしも前年秋季に肉眼で認められる芽の数にとどまらず,より以上の茎数に達する場合も多い。 2.前年秋に見出される芽の数と,翌年の発生茎数との関係は,ある程度収穫を続けた場合の方が明瞭に表われる。 3.収穫期間の長い区ほど,秋季における根群の発達が悪く,翌春のための芽の数も少なかつた。また,貯蔵根の含糖率は6月で収穫を打切つた区は,収穫を全然行なわない区とほぼ同程度であつたが,8月まで収穫を続けた区では著るしく低く,株が極度に衰弱していることがうかがえた。以上の結果から,充分に発達した成株では,6月一ばいあるいはそれ以上の収穫を行なつても翌春の収量が低下することはなかろうが,幼苗などで株の発育をはかるべき期間は,全く収穫を行なわないか,収穫をするにしてもなるべく早く打切ることが必要である。
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