ナガイモ茎頂の形態形成に及ぼすオーキシン,サイトカイニンおよび窒素量の影響
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概要
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ナガイモ(Dioscorea opposita Thunb.)の茎頂培養において,カルス化による変異の出現を回避した個体再生法と大量増殖法を確立することを目的として,茎頂組織の形態形成に及ぼす培地中のオーキシン,サイトカイニン,窒素量および基本培地の影響について検討した.<BR>MS培地を基本として,0.1mg.liter-1以下の低濃度のBA添加培地において高い割合でシュート形成が認められた.この場合,NAA濃度が高くなるに従いカルス化が著しくなり,その後に再分化する傾向が認められた.NAA濃度が0.1mg•liter-1程度であれば,基本培地の窒素量を規定濃度の1/10に減じることで,約80%の茎頂がカルスを形成せずに直接シュートに発育した.窒素量を減少させると形成されたシュートの栄養生長が低下する傾向が認められた.基本培地の種類は直接的なシュート形成には大きな影響は認められなかった.BA濃度を高くするとmorphogenicなカルスが形成され,特に1~2mg•liter-1のBAと低濃度のNAAが添加された培地において顕者であった.このカルスは外観が苗条原基に類似し,表面に多数の不定芽が存在して大量増殖への利用が期待されたが,詳しい特性はさらに検討する必要がある.<BR>Morphogenicなカルスの形成は添加するサイトカイニンにより差異が認められ,BA,ゼアチンおよび2ipが効果的であった,MorphogenicなカルスをMS培地を基本として0.1mg•liter-似下の低濃度のBAとNAAが添加された培地に移植することでシュート形成が認められた.
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