リンゴおよび核果類果実の熟期ならびに発育に及ぼす 2, 4, 5-TPの影響
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概要
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各種の果樹を用い,果実の着色,熟度の促進ならびに発育に及ぼす2, 4, 5-TPの影響について実験を行なつた。本試験は1955〜1958の4か年に札幌および余市の2地区で実施したものである。 その大要は次の如くである。 リンゴ 1.散布することによつて果実の着色,熟度促進に対する影響は極めて著しかつた。特に早生品種において効果がより顕著に現われ,これらにあつては収穫期が10日〜2週間促進された。 2.一般に果実の糖度は増加する傾向があつた。 3.果実の肥大には特に影響がなかつた。 4.処理果と無処理果との貯蔵性についてはその間に差が見られなかつた。 5.散布の適期は収穫の約1か月前である。散布濃度は処理では40ppm,他の品種では20ppmが適当である。 核果類 1.果実と核の肥大が著しく促進された。2, 4, 5-TP処理によつて核の増大することは,まだ他の研究者によつて認められていないところである。 2.各種類とも明らかに熟期が促進され,特にスモモ,オウトウでは著しく着色が促された。 3.処理果は糖度の増加を示した。 4.散布濃度はモモを除く他の核果類に対しては40ppmが適当である。モモに対しては40ppmでは畸形果を生ずるので20ppmが望ましい。
- 園芸学会の論文
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