リンゴ果肉の組織培養と誘導されたカルスにおけるアントシアニン生成について
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概要
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リンゴ‘旭’の果肉組織を培養し, 誘導されたカルスを用いて, カルスのアントシアニン生成に及ぼす培地及び培養条件の影響について検討した.1. 暗所での培養により誘導されたカルスは白色で, 外観上緊密な部分ともろい組織が混在していた. このカルス組織を照明条件下で培養するとやや硬質のものとなり, 色素の形成が観察された. 照明時間の長さを変えてカルスの色素形成の状態を比較すると, 24時間連続照明下においてクロロフィル及びアントシアニンを最もよく生成した.2. カルスを暗所で継代培養した後, 全体がもろく均質となった状態のものを昼光色蛍光燈下で培養すると,カルスの全面にアントシアニンを生成した. 培地に含まれるショ糖濃度が高い場合 (50g/l, 100g/l), アントシアニン生成は顕著に促進された.3. 培地上の炭素源が十分な場合, 10, 15, 20, 及び25°Cの各温度区でアントシアニンの生成が認められた. なかでも15°C区でのアントシアニン生成量が最も大きかった.4. オーキシンとサイトカイニンは共にアントシアニン生成を促進した. 2, 4-Dは3×10-5M〜3×10-4Mの濃度で, BAは3×10-7M〜3×10-5Mの濃度でそれぞれ有効であった.
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