タマネギの球形成および休眠に関する研究 (第8報) : 球形成期前の短日期間の長短および掘り上げまでの長日期間の長短が球形成および芽期におよぼす影響
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概要
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1. 秋播きの今井早生を材料とし, 翌春の球形成期前の短日期間, ならびに掘り上げまでの長日条件の期間を異にした区を設け, 球形成の状態ならびに芽期などを調査し, 球構成における規則性などについて検討した。2. 葉身の生長は長日条件においては抑制され, 新葉の出葉は短日条件から長日条件に変つた後25日ごろ, 心葉の生長は30日後ごろ停止した。3. 貯蔵葉形成期, 葉の生長停止期, 倒伏期は長日になつた時期と密接な関係をもつことが知られた。すなれち倒伏開始期は長日になつてから約40日後, 貯蔵葉形成後20〜30日, 新葉出葉停止後10〜15日ごろであつた。なお長日になる時期がおそい場合は倒伏期が不斉一になる傾向がみられた。4. 短日処理により球形成期までの生育期間をある程度延長することにより大球が得られた。ただし短日処理が分けつ芽分化期ごろまで続けられた場合は球は甲高になり球割れ率が増大した。5. 短日から長日になる暦日を変えても球構成の様相にはほとんど差がみられなかつた。ただし長日期間が30日間以下の場合は貯蔵葉数が若干少なかつた。したがつてタマネギの球構成の規則性は環境条件に応じて起る球形成過程が一定しているために生ずるもので, 一定葉位の葉が球を形成するものではないと思われる。6. 畑に球を植え付けた場合, 球形成期の早かつた区ほど芽期は早い傾向が認められた。したがつてタマネギは球形成に伴ない倒伏するころ休眠に入り, 一定期間後休眠覚醒期に至るものと思われた。
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