ニンニクの球形成に関する研究 (第1報) : タネ球の大きさ, 日長, 品種が球形成および花序の分化, 発育に及ぼす影響
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概要
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ニンニクの球および花序の形成過程, ならびに日長条件等が球および花序の分化, 発育に及ぼす影響について調査した。1. 花序は4月上中旬, 平均気温が10°C前後に上昇したころ分化し, あい前後して花序の下2〜3節に側芽が1〜5個ずつ形成される。側芽の第1〜3葉は葉身の生長抑制, 葉鞘の肥厚によりそれぞれ保護葉, 貯蔵葉, 萠芽葉になる。側芽はその後貯蔵葉の著しい肥厚により側球(clove)になる。2. 苗が小さく花序を分化しない個体は4月中旬ごろ頂芽の葉の貯蔵葉化により中心球(丸球)を形成した。したがつて中心球の形成は花序の分化しなかつたことを示すと思われる。3. 花序および側芽の分化ならびに葉の貯蔵葉化にはある程度の低温期間を経過することを必要とし, その後の球肥大は温暖, 長日条件で促進されるものと思われる。日長は花序や側芽の分化に対してはほとんど影響しなかつた。4. 小球を植えた場合, 翌春植え付けた場合, 葉身を切除した場合などは抽たい率が低下した。したがつて花序の分化にはある程度の基本栄養生長の過程を必要とするものと思われる。5. ニンニクには不抽たい系, 珠芽着生系から抽たいして花を着ける系統まで種々の段階の品種, 系統が存在する。本調査の結果, 不抽たい系とは花序は分化しても花茎が伸長せず, 珠芽が側球の形をとるものと推定された。6. 4月5日から短日処理した区では側芽の葉は普通葉になり貯蔵葉化が抑制される。したがつて葉の貯蔵葉化は長日条件で促進され, また貯蔵葉化はあらかじめ定まつた葉位の葉で起こるのではなく, 貯蔵葉化に適する条件に恵まれた葉位で起こるものと思われた。
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