タマネギの組織培養による栄養繁殖
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概要
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タマネギの雄性不ねん系の増殖に適用するために, りん茎の組織培養法について検討した.1. 球内の各分げつの茎頂組織に隣接する2枚のりん葉の基部を幅2〜3mm, 長さ1.0〜1.5mmに切り, これに盤茎組織を1mm厚さ付けて調整した外植体が不定芽形成力に勝った.2. このような外植体をカイネチンとNAAの濃度を変えて添加した Murashige-Skoog 1962 培地に置床し, 20°C, 12時間日長下で培養した. 不定芽形成にはカイネチン12mg/l+NAA0.5mg/lを添加した培地が最も優れ, カイネチンが主働的な役割を演じ, NAAが補足的な作用することが示唆された.3. 休眠期のりん茎より, 休眠覚せい後のりん茎から採取した外植体が不定芽形成力に勝り, 置床30日後に外植体当たり約10本の苗条が得られた.4. 培養組織切片の顕微鏡観察から, 不定芽はりん葉の盤茎付着点近傍組織から形成され, その形成活動は置床後20日目以降に急速に低下することが確かめられた.5. 1〜2本ずつに分割した苗条から小植物体を育成するには, ホルモン類を含まない Murashige-Skoog 1962の培地がよく, 20°C, 12時間日長下で, 約20日間の培養によって管外栽培に耐える小植物体が得られた.
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