ナス (Solanum melongena L.) と近縁野生種との交雑和合性について
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概要
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ナスと近縁野生種とを交配し, 花粉管の伸長行動と種子稔性について調べた.S. gilo, S. insanum, S. integrifolium とナスとは高い交雑和合性が認められた. S. indicum は‘千両2号’とは正逆交雑で多くのしいなをえたが, ‘Uttara’とは種子親の場合に50%の稔実種子をえた. S. surattense と S. xanthocarpum は‘千両2号’が花粉親の場合に少量の発芽力のある種子をえた. S. mammosum の花粉管は‘千両2号’の花柱内を正常に生長したが, この組合せでは雑種種子はえられず, 単為結果にとどまった.なお‘千両2号’は8つの近縁種の花粉で単為結果を生じたが, ‘Uttara’はそれらを花粉親にした交配では全く着果しなかった.交雑不和合の組合せでは, 花粉の不発芽または発芽不良, 花粉管の生長遅延•子房到達前の生長停止•微弱な螢光発色, カロースプラグの不規則な沈積•分布•大きさ, 花粉管先端の肥厚や分岐などが, 単独あるいは複合して観察された.
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