ピーマンの新雄性不ねん系利用によるF1採種 (第1報) : 新雄性不ねん系の形態及び遺伝様式
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概要
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1. 韓国在来品種に発見された遺伝的雄性不ねん系について, 形態及び生育上の特性と遺伝様式について調査し, F1採種への利用の可能性を検討した.2. 雄性不ねん系の子葉, 本葉の形態, 第1花までの葉数等は正常個体と差が認められず, また生育指標となる種子発芽率, 草丈, 第1花開花までの日数等についても差が見られなかった.3. 花器では雄性不ねん花のやくの横径が小さいほかは, 花の大きさ, 花冠の形状, 雌ずいの形態, 雄ずい数, やくの縦径等のいずれも正常花と変わらない. 雄性不ねん花は正常花粉受粉によりよく着果し, 果実の大きさ, 種子着生数とも正常果と差異がなかった.4. 遺伝様式については, 正常個体との交雑後代における分離比から, 本雄性不ねん性発現は1対の劣性遺伝子のみによって支配され, 細胞質は関与しないものと推定された. この遺伝様式の場合は不ねん系の維持に問題があるが, F1品種採種に当たってすべての品種が花粉となり得る利点のあることから, 本雄性不ねん性利用による省力的F1採種の進展にはこの問題点の解決が必要である.
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