施設トマトの栽培法, 栽培時期及び品種と果実のアスコルビン酸含量
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概要
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本研究は施設トマトの栽培法, 栽培時期及び品種と果実のアスコルビン酸含量との関係を明らかにするために行った.長期多段穫り栽培を水耕, 土耕で行い, 果実のアスコルビン酸含量を調べたところ, いずれの栽培法においても, 地表面に近い位置で成熟した果実は低含量であり, 上位の4果房で含量の顕著な増加が見られた. 水耕法と土耕法による果実成分には顕著な差は見られなかったが, 水耕の植物体は茎葉がやや過繁茂となり, 低位果房の果実の日射条件は悪く, アスコルビン酸, 還元糖などの含量が低い傾向を示した.栽培時期の影響を調べるため, 一年間にわたって毎月20日に播種し, 水耕で3段穫り栽培を行った. 果実のアスコルビン酸含量は, 果実の収穫期が12月になる8月播きのもので最も低含量であり, その後翌年4月播きまで徐々に増加し, 4月播きの果実が最も高含量となった.英国温室栽培用トマト, ‘ベスト•オブ•オール’, ‘マネー•メーカー’を夏及び冬の2回, 2段階の培養液濃度で水耕し, 我が国の桃色大果型品種‘FTVNR-3’と比較した. 冬作では‘FTVNR-3’の果実のアスコルビン酸含量は, 夏作のほぼ1/2に減少したが, 前者の2品種は, ほぼ夏作に匹敵する含量を示した.
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