走査型電子顕微鏡による‘みの早生’ダイコンの花芽分化
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概要
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‘みの早生’ダイコンの花芽分化段階を走査型電子顕微鏡によって観察した. 48時間催芽後, 5°C下で30日間春化処理した後, 水耕装置に定植し, 生育させた. 催芽後, 室温下のバーミキュライト培地で30日間生育させたものを対照区とし, 低温処理区と同様, 水耕栽培した. 生育した植物体は3日ごとに茎頂部をサンプリングして花芽分化段階を調べた. 実験終了時 (定植後72日), 対照区では抽だいを見なかったが, 春化処理区のものは定植後, 平均抽だい日数は12日, 平均開花日数は29日であった. 開花節位は12.4節で, その内で第1花の下の腋芽に生ずる異形葉数 (複葉が少数かつ小形となり, 先端がとがっている葉) は3.2枚であった. この異形葉は植物学的には苞葉と考えられる.花芽の発育段階は形態的には, 栄養生長期から花芽原基分化期まで4段階に分けられた.1) 栄養生長期 (生長点は小さく, 円形で, 平滑の状態で直径は約250μmである).2) 分化初期 (ドーム状期, 生長点が肥大肥厚し, 直径が増加し, 300μm以上となる).3) 側枝分化期 (最新の葉腋に側枝原基を分化する).4) 花芽原基分化期 (茎頂部の最新節が伸び始め, 各花牙を分化する).なお, 側枝原基の発育段階は茎頂部と同様に経過する.従来, 花芽分化には, 茎頂部が肥大するドーム状期で決めることが多かったが, 茎頂部がドーム状になっても, その後の状態が良好でないと花芽分化まで至らない場合がしばしば観察された. しかし, いったん側枝分化期に達したものは必ず花芽分化に至るので, この時期を花芽分化の決定に用いるのが適切だと思われた.
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