ウンシュウミカンの幼樹の生長と養分吸収の温度条件
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概要
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カラタチ台ウンシュウミカン(興津早生) の1年生樹を環境制御室の15, 20, 25及び30°C室に搬入し, 昼夜恒温の条件下で7〜9か月間栽培し, 樹体の生長と養分吸収の温度条件を観察した.1. 素焼鉢 (直径30cm) に植え付けた供試樹を,1979年4月1日に環境制御室に搬入し, 10月下旬まで栽培した. 高温区ほど春枝の発芽が早かったが, 15°C及び20°C区では春枝が発生したのみで, 夏枝はほとんど発生せず, 春枝上に9〜10月に花蕾の発生をみた. 一方,25°C区では春, 夏, 秋枝が発生し, 30°C区では秋枝に続いて第4サイクルの新梢まで発生した. 総新梢伸長量は30°C区が最も優れた. 掘り上げ時の生体重及び乾物重は, 地上部, 地下部とも高温区ほど優れたが, 30°C区では幾分25°C区より劣った。葉中要素含有率はN及びPが20°C区で最高値を示し, K及びCaは高温区ほど高かった. 15°C区ではいずれの要素も最も低かった.肥料要素吸収量は高温区ほど大となり, 30°C区では25°C区より若干劣った.2. 根箱 (30×20×25cm) に植えつけた供試樹を,1982年4月より環境制御室に搬入して9か月間栽培し,根の生長状態を観察した. 高温になるほど根の生長は促進した. 30°C区では樹は急速に発育し, 新梢生長は5サイクル, 根の生長には3サイクルがみられた. 一方,15°C区の樹の根の生長は極端に抑制された. すべての場合, 新梢の生長が根の生長に先行した. 根の生長は春枝及び夏枝発生後に著しく, 15°C区を除いて2つの明瞭なピークを示した. 20°C以上の区ではほぼ同じ根の生長のパターンを示したが, 15°C区では緩慢に, ピークを示さず, わずかに伸長した. 実験終了時の根の長さは高温区ほど大であった.
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