ウンシュウミカンの花芽の発達と開花に及ぼす冬季ならびに早春季の低温の影響
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概要
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鉢植えのカラタチ台ウンシュウミカン1年生樹‘興津早生’について, えき芽が他発休眠期にあり, また形態的花芽分化期に入る12月から3月の低温が花蕾発生並びに開花に及ぼす影響を観察した. すなわち, 10°C室におくのを基準とし, 12月から3月末までの4か月間またはその間の1か月間, 15°, 5°, 0°C室及び露地に移した. 1か月間処理では処理終了後は再び10°C室に戻した. 3月30日に全ての供試樹を露地に搬出した. 実験期間中の花蕾の発生と開花状態について観察し, それぞれの満開期に花器の大きさを測定した.1. 4か月間処理では15°C区で2月中旬, 10°C区で3月上旬に発蕾し, 5°, 0°C及び露地区では4月下旬に発蕾した. 1か月間処理では, いずれの温度でも早期に処理するほど発蕾日が早くなった.2. 花蕾発生数は4か月間処理では露地区で最大であったが, 10°, 5°及び0°C区ではほとんど変わらず, 中間の値を示し, 15°C区で最も少なかった. 1か月間処理では低温のため露地の2月処理で著しく少なく, 3月処理でも花蕾発生が抑えられた. 0°及び5°C区では3月処理で若干少なくなる傾向を示した.3. 花の満開期は4か月間処理では15°C区で4月中旬, 10°C区で5月中旬であったが, 他の低温区は5月下旬であった. 1か月間処理では15°C区を除き, いずれも5月中旬であった. 露地や0°, 5°Cの低温は開花期に影響を及ぼさなかったが, 15°Cの1月以降の温度処理では, 処理時期が遅くなるほど開花期が早くなった.4. 花の満開期の花器の大きさは4か月間処理では0°C区で最大で, 15°C区で最小であった. 15°C区では子房そのものは大きかった. 1か月間処理では露地に10°C室から搬出する時期が遅いほど, 花器は大きくなったが, 子房の大きさを伴なわず, 子房は2月処理で最大となった. 一方, 15°C区では遅く温度処理するほど, 花器は小さくなる傾向を示したが, 子房は大きくなった.
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