温州ミカンの栄養生理に関する研究 : VII 窒素施用濃度と6年継続砂耕樹の生長および養分吸収
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
Young satsuma mandarin trees on trifoliate orange rootstock were grown in sand culture for six years, with differential nitrogen feeding. Nitrogen in nutrient solutions was adjusted 6 levels from 0 to 160 ppm with ammonium sulfate while phosphoric acid and potassium were maintained in 40 ppm. 1. Twenty to 40 ppm of nitrogen application resulted in higher tree growth and fruit yield as compared with the other treatments. Nitrogen contents of spring leaves showed a yearly decrease. 2. The absorbed amounts of nitrogen of leaf, shoot, trunk, large root and fine root increased in proportion to the concentration in the nutrient solution. The amounts of P, K, Ca and Mg were most influenced by the amounts of tree growth, and those were the highest at the concentration of 20 or 40 ppm. 3. From the results mentioned above, the optimum leaf contents in August were about 3.0% of N, 0.20% of P and 1.7% of K in dry weight basis.樹勢のそろったカラタチ台杉山系温州ミカン7年生結実樹を窒素施用濃度をかえて6か年継続砂耕し, 樹体の生長と果実収量の年次変化を観察するとともに, 最終年度に掘り上げて, 樹体各部に含まれる肥料成分含有量から窒素の施用が樹体の養分吸収に及ぼす影響を観察した. 1. 窒素施用濃度が20〜40ppmの範囲で, 栄養・生殖両生長ともに優れたが, それより高濃度でも低濃度でも樹勢は次第に衰え, 結実は著しく悪くなった. 樹令が進むにしたがい, 毎年8月の葉内N含有率は次第に低下した. 2. 窒素施用濃度の増加に伴い, Nの樹体内の含有量は増すが, P, K, CaおよびMgはいずれも樹体の生長の旺盛であった20〜40ppm区で含有量が多かった. 3. 以上の結果から, 樹勢の維持と果実収量の両面から考えて最適の葉内含有率(対乾物)はN3.0%, P 0.20%, K 1.7%であった.
- 香川大学の論文
- 1981-03-20
著者
-
井上 宏
香川大学農学部
-
磯辺 淳二
香川大学農学部
-
井上 宏
Present Address:faculty Of Biology-oriented Science And Technology Kinki University
関連論文
- ウメ『南高』の果実発育の温度条件
- 土性と窒素施用量の相違がカラタチ台温州ミカン1年生苗木の生長に及ぼす影響
- 温州ミカン幼樹の栄養生長ならびに結実におよぼす土壌湿度の影響について
- レンブのマイクロプロパゲーション
- ウンシュウミカンの花芽分化に及ぼす肥料要素と温度の影響
- 組織培養により増殖したパパイア・シュートの試験管外における発根
- 甘果オウトウ(Prunus avium L.)とチュウゴクオウトウ(P. pauciflora BUNGE)の種間交雑
- ウンシュウミカンの花芽分化に及ぼす環状はく皮と温度条件
- 砂耕における肥料3要素の施用がカラタチ台ウンシュウミカン幼樹の根群の発達に及ぼす影響
- ウンシュウミカンの着果負担が次年の着果ならびに早期落果に及ぼす影響
- カラタチ台ウンシュウミカンの根の形態と生理に及ぼす温度の影響〔英文〕
- 生理落果終了後のウンシュウミカン果実の肥大と品質に及ぼす温度の影響
- 根域制限がカラタチ台ウンシュウミカンの生長に及ぼす影響 : I 鉢植えの1年生苗木について
- キウイフルーツ(Actinidia chinensis Planch.)のカルス培養における活発な不定芽分化
- ウンシュウミカンの早期落果と昼夜の温度条件
- 3種のカンキツ台木の根毛の観察
- 組織培養による熱帯・亜熱帯果樹の栄養繁殖に関する研究 : I 組織培養によるパパイヤの繁殖
- 温州ミカンの果皮の発育に及ぼす摘果と果実肥大最盛期の窒素施用の影響
- 温州ミカンの栄養生理に関する研究 : VIII. 窒素施用濃度と6年継続砂耕樹の果実品質の年次変化
- 温州ミカンの栄養生理に関する研究 : VII 窒素施用濃度と6年継続砂耕樹の生長および養分吸収
- 温州ミカンの花器の発達と幼果の肥大に及ぼす摘葉処理の影響
- 温州ミカンの果実の肥大と果実比重
- ユズ台およびカラタチ台温州ミカンの生理生態学的比較に関する研究 : V 幼木における新梢ならびに果実内肥料要素吸収量の季節的変化
- ナツダイダイ樹の発育生理に関する研究 : I 成熟果の大きさと果実の形態ならびに二,三の生理的特性の比較
- ウメ南高の開花と花粉発芽の温度条件
- 温度条件の相違がウメの冬芽の発達と新梢生長に及ぼす影響
- ウンシュウミカンの開花誘導と生理的変化に及ぼす秋季の気温と地温の影響
- ウンシュウミカンの花芽分化に及ぼす環状はく皮と温度条件
- カラタチ台ウンシュウミカンの根の形態と生理に及ぼす温度の影響
- ウンシュウミカンの幼樹の生長と養分吸収の温度条件
- ウンシュウミカンの花芽の発達と開花に及ぼす冬季ならびに早春季の低温の影響
- ウンシュウミカンの花芽の分化, 発達の温度条件
- ウンシュウミカンの花芽分化に及ぼす土壌乾燥と温度条件
- ウンシュウミカンの栄養生長と花芽分化に及ぼす日長と温度の影響
- ウンシュウミカンの芽の休眠と花芽分化の温度条件
- ナツダイダイ樹の発育生理に関する研究 : II 成熟果の大きさと果実内肥料5要素の含有率および含有量の比較
- 温州ミカンの果実の肥大と果形指数
- ウンシュウミカンの花芽分化に及ぼす肥料要素と温度の影響
- ユズ台およびカラタチ台温州ミカンの生理生態学的比較に関する研究 : III 砂耕液中のチッ素濃度と尿素の葉面散布との関係
- ウンシュウミカンの新梢発生と花芽分化に及ぼす夏秋季のジベレリン散布と温度の影響
- ユズ台およびカラタチ台温州ミカンの生理生態学的比較に関する研究 : I 旧葉の摘除と1年生苗木の生長
- ユズ台およびカラタチ台温州ミカンの生理生態学的比較に関する研究 : VI 幼樹の耐陰性
- ナツダイダイ樹の発育生理に関する研究 : IV 成木の年間肥料要素吸収量
- ユズ台およびカラタチ台温州ミカンの生理生態学的比較に関する研究 : IV ポット試験における樹体の生長ならびに果実収量・品質の経年変化
- チッ素質肥料の過用が温州ミカン幼樹の生長ならびに肥料要素吸収におよぼす影響について
- ユズ台およびカラタチ台温州ミカンの生理生態学的比較に関する研究 : II 砂耕における苗木の生長とチッ素の好適施用濃度
- ナツダイダイ樹の発育生理に関する研究 : III 成木の肥料要素吸収量の季節的変化
- ナツダイダイ樹の発育生理に関する研究-1,2-
- ナツダイダイの果実発育に関する研究,とくに水腐病の発生機構を中心として