キク科植物のキク, レタス, シュンギクのプロトプラストからのカルス形成と植物体の再分化について

概要

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キク3品種, シュンギク1品種, レタス3品種を用い葉肉細胞からプロトプラストを単離•培養し, カルス形成と植物の再分化の試験を行った.葉肉細胞のプロトプラストは酵素液(1% CellulaseOnozuka R-10, 0.2% Macerozyme R-10, 7%マニトール, 0.1% CaCl2•2H2O, pH5.5)で20°C, 16h静置で単離し, 1/2MS改変培地で培養した. 培養中, 1週間ごとに新鮮培地を添加した. この処理は安定した細胞分裂とコロニー形成に重要だった.キクとレタスではプロトプラストからカルス形成がみられたが, シュンギクでは安定した分裂が認められず, カルス形成したものはわずかであった. キクとレタスで窒素源によってプロトプラストの分裂に違いがみられた. キクの場合コロニー形成は NH4NO3によって阻害され, Ca(NO3)2•4H2Oにより増加した. 一方, レタスでは逆の傾向がみられた.レタスでは, プロトプラストより分裂したカルスから再分化培地で不定芽が誘導された. 再分化培地はMS培地に0.5ppm NAA, 1.0ppm BAを添加した. 再分化率はレタスの3品種で異なり, 1品種‘赤ちりめんちしゃ’からはほとんど100%の割合で不定芽が誘導された.不定芽はホルモンフリーのMS培地に移植することにより完全な植物体を得ることができた.
園芸学会の論文