白ナス(Solanum melongena L.)とヒラナス(S. integrifolium POIR.)との体細胞雑種の作出
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概要
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栽培ナス(Solanum melongena)に青枯病抵抗性を導入するため,白ナス(S. melongena L.)とヒラナス(S. integrifolium .Poir.)との細胞融合を試みた.培養細胞由来の白ナスプロトブラストを1.0mMヨードアセトアマイト溶液に5℃,15分間浸漬した後,ヒラナスの葉肉プロトプラストとデキストランで融合処理した.その後,6-BAP(1mg/l),NAA(1mg/l),グルコース(50g/l)を含むMurashigeSkoog(1962)の培地で培養したところ,およそ8週間後に,4コロニーが得られ,さらに2-3週間後にそれぞれのコロニーから植物個体が分化した.これらの個体は,植物体,葉,花,果実の形態および酸性フォスファターゼのアイソザイムパターンから体細胞雑種であると判断された.これらのうち,一系統(RW-4)の自殖種子を発芽させ,青枯病菌(Pseudomonas solanacearum)の入った水耕液で培養し,その後の生存率を調査し,抵抗性の強弱を判定したところ,これらの中には両親のものより強い個体が存在していることが判明した. 以上の結果から,ヨードアセトアマイト処理と片親の細胞分裂能を組合せることによって雑種が効率よく選抜できること,細胞融合によって栽培ナスに青枯病抵抗性が導入できることがわかった.
- 日本育種学会の論文
- 1990-12-01
著者
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