失語症患者の言語訓練経過 (II) : ―言語訓練後症状の変化がプラトーに到達した症例について―
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概要
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失語症の言語訓練経過を知ることを目的に, 言語症状の変化がプラトーに到達した脳血管障害性失語症患者111例 (全例右利き左脳損傷) について失語症鑑別診断検査 (老研版) の総得点を指標として検討し, 以下の知見を得た.<BR>(1) 失語症患者の言語訓練経過, すなわちプラトー到達期間, プラトー到達時総得点, および訓練開始時総得点とプラトー到達時総得点の相関はタイプによって差異が認められた.<BR>(2) 言語訓練経過は年齢によって差異が認められた.すなわち, まず, 老年群は壮年群に比べて改善度が小さく, つぎに, タイプ内における年齢差については差の認められるタイプとそうでないタイプが認められた.<BR>(3) 改善度は言語訓練開始時期が早いほど大きかったが, プラトー到達期間やプラトー到達時総得点には差が認められなかった.<BR>(4) 言語訓練経過と性との間には関係は認められなかった.
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