失語症患者の言語訓練成績 : ―老年群と壮年群の比較―
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概要
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失語症患者の言語訓練の成績と年齢との関係を知ることを目的に, 2カ月以上言語訓練を実施し2回以上失語症鑑別診断検査 (老研版) を行った失語症患者303例 (60歳以上の老年群161例, 59歳未満の壮年群142例) について検討し, 以下の知見を得た.<BR>1) 改善例出現率は年齢が高くなるにつれて減少し, 老年群と壮年群の間で有意差が認められた.訓練後の到達レベルは, 老年群では壮年群に比べて低い症例が多かった.<BR>2) 年齢によって改善例出現率や到達レベルに差の認められるタイプとそうでないタイプに分けられた.<BR>3) 訓練開始時期が早いほど改善例出現率は高かった.どの開始時期においても改善例出現率は老年群では壮年群に比べて一貫して低かった (ただし, 発症後4ヵ月以上6ヵ月以内を除く) .<BR>4) 全般的精神活動低下を合併する症例は老年群では壮年群に比べて有意に多く, このような症例では改善例出現率は低かった.
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