土壌中の置換性ニッケルの吸光光度定量
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概要
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微量ニッケルをあらかじめ抽出分離したのち比色定量するSandellの方法を再検討し,抽出操作を行なわないで,土壌からの置換性ニッケルを定量する方法を確立した.アンモニア-臭素法によりはじめに生成する1:2ニッケル-ジメチルグリオキシム錯体は一般に不安定で,発色後10分以内にその吸光度を測定しなければならない.しかしこれに酢酸およびクエン酸を添加するとこの錯体は安定化し,20℃以下では少なくとも3時間は変化しない.土壌中の置換性各種金属の影響を調べたが妨害は認められなかった.測定値の再現性は本法のほうが従来法よりすぐれていることも確かめた.それゆえ本法は多数土壌試料の分析に適している.また,じゃ紋岩質土壌で生育した各種植物体中のニッケルの定量に本法を適用したところ,銅含量がそれほど高くないものについては利用できることが確かめられた.
- 社団法人 日本分析化学会の論文
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