加圧焼結現象としての雪の圧密の研究 (I)
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概要
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自然積雪の圧密過程は, 荷重を受けた状態での焼結現象であり, 駆動力は, 系の過剰表面自由エネルギーと荷重による力学的エネルギーの和である.本実験は, このような2種類の駆動力を考慮した加圧焼結という立場で雪の圧密過程を詳しく測定, 考察するために行なわれた.<BR>実験は, 氷の微小粒子を使用して, 温度範囲-40℃~-9℃, 圧力範囲0.4MPa~2.0MPaで行なわれた.密度の時間変化から圧密の歪速度が求められるとともに, 試料の薄片観察が行なわれた.<BR>密度が約750kg/m<SUP>3</SUP>になると, 氷粒子間の結合は, 個々の氷粒子が識別できない程発達した.最終的には, 空隙は孤立して, 氷中に捕えられた.歪速度の対数と密度との間には, 近似的に直線関係が得られ, 直線の折れ曲がる点が限界密度と定義された.限界密度以下の密度範囲では, クリープ機構とともに氷粒子の再配列機構が寄与しているのに対して, 限界密度以上では, クリープ機構が卓越する.実験条件下では, 転位クリープの寄与が大きいが, 密度の増大とともに, 拡散クリープの寄与が大きくなると結論された.
- 社団法人 日本雪氷学会の論文
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