過敏性自己愛傾向が現代青年のふれ合い恐怖心性に及ぼす影響について : ――自己愛的脆弱性尺度を用いた検討
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概要
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本研究の目的は,過敏性自己愛傾向がふれ合い恐怖心性に及ぼす影響について,対人恐怖心性との比較から検討することであった。専門学校生,大学生,大学院生443名を対象に,ふれ合い恐怖心性,対人恐怖心性,過敏性自己愛傾向を測定する自己愛的脆弱性尺度からなる質問紙を実施した。パス解析の結果,自己愛的脆弱性尺度の下位因子である目的感の希薄さと自己顕示抑制の高さがふれ合い恐怖心性と対人恐怖心性の両者を高めていることが示された。しかしながら,承認・賞賛への過敏さの高さは対人恐怖心性を高め,自己緩和不全の低さおよび潜在的特権意識の高さはふれ合い恐怖心性を高めるという相違点が見出された。これらの結果から,両心性の背景には共通して過敏性自己愛傾向が潜んでいるものの,承認・賞賛の過敏さ,自己緩和不全,潜在的特権意識の過敏性自己愛傾向の下位側面のあり方によって,現れ方が異なってくる可能性が示唆された。
著者
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金井 篤子
名古屋大学大学院教育発達科学研究科
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金井 篤子
名古屋大学
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金井 篤子
名古屋大学大学院教育学研究科
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伊藤 亮
名古屋大学大学院教育発達科学研究科
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村瀬 聡美
名古屋大発達心理精神科学教育研究センター
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村瀬 聡美
心療内科・内科リエゾンメディカル丸の内
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