細菌性髄膜炎にherpes simplex virus抗体価の上昇を伴つた選択的IgA欠損症の1例
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概要
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27才,男.幼少時よりよく風邪に罹患しやすく, 18才以降2〜3カ月に1回発熱を繰り返した.昭和53年3月24日寒け,発熱,頭痛, 4日後,悪心,嘔吐が出現し,信州大学医学部第三内科へ入院.体温39°C.軽度の咳,喀痰,咽頭の発赤,下痢があり,神経学的には,意識は清明,髄膜刺激症状として,頭痛,嘔吐,軽度項部硬直, Kernig徴候を認めた.髄液は圧正常,細胞710 (多核球優位),蛋白103mg/dl,糖44mg/dl.多核球優位の細胞増加,髄液糖低下より,細菌は検出されなかつたが細菌性髄膜炎が最も疑われた.発症1週間後臨床症状は消失. herpes simplex virus血清抗体価(CF)は,発症時32倍, 5週後128倍, 12週後32倍となり抗体価の推移よりHSV感染も合併していたと考えた.本例は,血清IgA 5mg/dl以下と選択的IgA欠損症があり, pokeweed mitogenを加えたT・B細胞の混合培養試験では,本例の選択的IgA欠損症は, R細胞自身の分化障害によると考えられた.選択的IgA欠損症にHSV感染と細菌感染の合併の報告はまれで,免疫不全と複合感染との関連で興味ある症例と思われた.
- 社団法人 日本内科学会の論文
著者
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柳沢 信夫
信州大学医学部第三内科
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塚越 廣
信州大学医学部第三内科
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田幸 健司
信州大学医学部第三内科
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高月 清
京都大学医学部第一内科
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小林 高義
信州大学医学部第三内科
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馬目 太三
信州大学医学部第三内科
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樋端 敏生
京都大学医学部第一内科
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高月 清
京都大学医学部内科第一講座
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