Fabry病の一家系
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概要
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発端者は33才の男.主訴は無汗.子供の頃から下痢ぎみで, 10才頃より激しい足背痛出現,発汗低下に気付いた. 24才全身倦怠感,眩暈などを訴え,心肥大,尿蛋白を指摘さる. 32才足に浮腫が出現, 33才当科受診.皮膚生検にて線維芽細胞, pericyte,神経周膜にZebra体に似た封入体が証明され,角膜に渦状混濁(+),尿中には多量のceramide trihexosidと少量のceramide dihexosideを認め,血清および白血球中のα-galactosidase活性が著しく低く, Fabry病と診断された.調査により,発症者と考えられる10名,保因者と考えられる11名を有する家系が発見された.発症者には,発端者を含めangiokeratomaの皮診は認められなかつた.保因者である母(69才)は,角膜の渦状混濁の他,腎障害,心不全を示し,小児期の足背痛もあつて,保因者の発症と考えられる点で注目された.近親者の血清および白血球中のα-galactosidase活性は,発端者が著しく低く,母(保因者)は発端者と対照との中間であつた.測定値は血清と白血球とでよく並行した.さらにこの家系のほとんど全員に,リンパ球の相対的増加と免疫グロブリンの低下が見出されたが,低下している免疫グロブリンの種類は一定しなかつた.
- 社団法人 日本内科学会の論文
著者
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進藤 政臣
信州大学医学部第三内科
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柳沢 信夫
信州大学医学部第三内科
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塚越 広
信州大学医学部第三内科
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井上 隆義
信州大学医学部皮膚科
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河村 成子
信州大学医学部順応医学研究施設生化学部門
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市川 祐治
北信総合病院眼科
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