多発神経炎をもつて初発し, 16ヵ月後に初めて関節症状が出現した悪性関節リウマチの1例
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概要
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46才の主婦.昭和49年7月両足背の浮腫,触覚低下,びりびり感に引き続き発熱をくり返した. 9月には左上肢の筋力低下も出現, 11月左足先を引きずるようになり入院.入院時両側前脛骨部の浮腫,四肢筋の筋萎縮および筋力低下,四肢末梢性感覚低下を認めた.血沈62mm/1時間値,白血球数12,700/mm3,血小板411,000/mm3.リウマチ因子2 (+),抗核抗体陰性. LE細胞(-).左大腿四頭筋筋生検ではangular atrophied fiberとsma11 grouped fiberが散在し細胞浸潤はなし.腓腹神経の生検では著明な脱髄と軸索変性を認め,標本中の小動脈は細胞増多と内膜肥厚による閉塞がみられた.腎の針生検では間質性腎炎の所見のみ.昭和50年1月に小腸穿孔を起こしたが手術にて救命.穿孔部の病理学的検査では特異的な病変を認めず,同2月下旬,足趾に壊疽出現.プレドニゾロン投与により一般状態と炎症所見改善.プレドニゾロン減量中の9月中旬,朝の手の指のこわばりと両側膝関節の腫脹がみられ,関節液の所見は慢性関節リウマチに一致.以上より慢性関節リウマチと診断した.一般に悪性関節リウマチは関節症状で発症し長期間を経てから多発神経炎や四肢末端部壊死等の血管症状が急激に出現するものであるが,本例においては多発神経炎,腸硬塞,四肢壊疽が関節症状に先行しており,このような非典型例は報告が少なく,悪性関節リウマチの原因にかんして血管の関与の重要性を示すと考える.
- 社団法人 日本内科学会の論文
著者
-
加賀谷 肇
信州大学医学部附属病院
-
柳沢 信夫
信州大学医学部第三内科
-
塚越 広
信州大学医学部第三内科
-
足立 憲昭
信州大学医学部第三内科
-
小口 喜三夫
信州大学医学部第三内科
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加賀谷 肇
信州大学医学部第三内科
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