全身性エリテマトーデスにおける腎障害と抗核抗体の補体結合性の差異にかんする研究
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概要
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SLEの腎障害の発症機序に抗核抗体系の免疫複合物の関与が推測されているが,腎症は多彩で抗体も多種類あり,相互の関係は一律でない. SLE61例を長期間観察して,蛍光抗体法による各種の抗核抗体価および同補体法との比較による各斥も手要の補体結合性の差異を求め,腎症状との関係を検討した.腎症状を示した49症例でのDNA抗体価は,ネフローゼ症候群を除き腎症状と平行して増減し,活動期に高値,緩解期に低値であつたが,抗核抗体価にその傾向は認められなかつた.観察期間中腎症状を認めえなかつた12症例中にも,明らかなDNA抗体が検出された.ループス腎炎活動期の各種抗核抗体は共通して補体結合性が強かつたが,非腎症例では抗体価は高くともその補体結合性は弱く,とくにDNA抗体でその差異が著明であつた.以上の成績は,SLE腎障害におけるDNA抗体の関与を臨床的に示唆するものであり,同時にDNA抗体の存在のみでなくその補体結合性をも重視すべきことを示す.
- 社団法人 日本内科学会の論文
著者
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東條 毅
国立病院東京医療センター
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本間 光夫
慶応義塾大学医学部内科
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東條 毅
慶応義塾大学医学部内科学教室
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宮地 清光
慶応義塾大学医学部内科学教室
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東條 毅
慶応義塾大学医学部内科
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東條 毅
慶応義塾大学内科
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本間 光夫
慶応義塾大学内科
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本間 光夫
慶応義塾大学
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