転移性肝腫瘍の腫瘍栓に対する術中超音波診断
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概要
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過去5年間に肝切除を目的として開腹した295例を対象とし,肝腫瘍における肉眼的腫瘍栓の頻度及び各種検査法の診断率について検討した.肝細胞癌は188例で23例(12.1%)27カ所に腫瘍栓が発見された.腫瘍栓の診断率は術中超音波67%,術前超音波22%,血管造影22%であった.一方,転移性肝腫瘍は49例中3例(6.1%)3ヵ所に腫瘍栓が発見された.腫瘍栓の存在部位は左門脈枝2ヵ所,門脈右前上枝1ヵ所であった.このうち2例は大腸癌,1例は胃癌の肝転移例であり,大腸癌,胃癌に限定すると腫瘍栓の頻度は8.8%であった.転移性肝腫瘍の腫瘍栓は術中超音波では明確に描出されたが,術前超音波,血管造影,CTでは診断されなかった.又,当院剖検例では転移性肝腫瘍464例中9例(1.9%)に肉眼的に明らかな腫瘍栓がみられた.以上より,転移性肝腫瘍にもかなり腫瘍栓がみられ,根治的切除には術中超音波による腫瘍栓の検索と切除範囲決定が不可欠であると思われる.
著者
-
幕内 雅敏
国立がんセンター外科
-
山崎 晋
国立がんセンター中央病院外科
-
長谷川 博
国立がんセンター外科
-
広橋 説雄
国立がんセンター病理
-
高安 賢一
国立がんセンター中央病院
-
森山 紀之
国立がんセ がん予防・検診研究センター検診部
-
森谷 宜皓
国立がんセンター外科
-
森谷 宜皓
国立がんセンター中央病院外科
-
広橋 説雄
国立がんセンター病理部
-
菊池 学
国立がんセンター外科
-
高安 賢一
国立がんセンター放射線科
-
森山 紀之
国立がんセンター放射線科
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