肝色素代謝に関する研究 : 胆管結紮時の細胞内色素結合蛋白(肝・腎・小腸)の検討
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概要
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細胞内色素結合蛋白一リガンディン(Y)・Z蛋白-は,色素を指標とした検索では肝・小腸に,免疫学的検討では腎にも存在すると報告されている.しかしそれらの色素代謝における役割は現在,明らかではない.<BR>筆者らは,ラットを用い,181I-BSPを指標として腎・小腸のY・Z蛋白の存在を確認した.また胆管結紮5日目のラットにおける色素の体内分布の検討では,特に腎に集積し,181I-BSP注入24時間後には臓器1g当りで肝の約7倍の値を示した.24時間の尿中排泄は約9% dosisを示し,対照群の0.5%に比し,著明に増大した.さらに,胆管結紮群では腎Y蛋白の色素結合が増大を示し(P<0.01),肝・小腸のY・Z蛋白,腎のZ蛋白の色素結合には変化が認められなかった.<BR>以上の結果より,閉塞性黄疸時の色素代謝において,色素の腎からの排泄に腎リガンディンは重要な因子と考えられる.
- 社団法人 日本肝臓学会の論文
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