肥満時脂肪肝の実験的研究-2種類の視床下部性肥満ラットの比較-
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概要
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2種類の異なる視床下部性肥満ラット〔electrolytic法(E群),knife cut法(K群)〕を用いて,肝および血中のtriglyceride(TG), nonesterified fatty acid (NEFA)さらに血中肝酵素を測定し比較した.<BR>術後4週目,肥満度は両者間で差を認めなかったが,E群では肝TGがより高度に蓄積し,肝酵素は血中で上昇していた.また,血中のTG, NEFAの上昇は軽微であった.一方,K群では殆んど肝機能異常を示さず,肝内TG蓄積も高度ではなかったが,血中のTG, NEFAの上昇度は強かった.<BR>このK群ラットの脂肪肝の臨床像は,ヒトの単純性肥満のそれと類似していたが,肝組織像は,門脈領域に脂肪滴を認め,ヒトの場合とは異なっていた.<BR>本論文で示した2つの異なる視床下部性肥満ラットは,脂肪肝形成機序の解明のための研究対象として価値あるものと思われる.
著者
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村尾 覚
東京大学第2内科
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村上 透
東京大学第二内科
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奥 淳治
東京大学第二内科
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本木 達也
東京大学第2内科
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平野 正憲
東京大学第2内科
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飯塚 哲司
東京大学第2内科
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村上 透
東京大学第2内科
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奥 淳治
東京大学第2内科
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