2年以上の長期間生存した原発性肝癌の3例とその臨床病理学的検討
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概要
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原発性肝癌の予後はきわめて不良であり,内科的治療を行なってもその平均生存期間は6〜7カ月にすぎない.しかしまれに2〜3年の長期生存例の報告がみられる.過去4年間に著者らの経験した約50例の原発性肝癌中3例の長期生存例について概要を報告し,臨床病理学的検討を行なった.長期生存例における原発性肝癌の組織学的特徴は分化型肝細胞癌が主座を占め,臨床的にも自覚症状の乏しい期間が長く,肝腫大の進行も徐々で,いわゆるslow growing hepatomaの性状を示すものが多い.しかし,臨床的に顕性化した後の経過は急速であり,多くは転移を伴ない組織学的にも未分化型肝細胞癌が主座を占めるようになる.原発性肝癌の組織学的異型度と予後との関係についてはEdmondSon分類GradeIIが最も予後良好であるが,HB抗原陽性の原発性肝癌と陰性のそれとの間の予後の相異の有無についての検討は今後の問題である.
- 社団法人 日本肝臓学会の論文
著者
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関根 理
信楽園病院
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市田 文弘
新潟大学医学部第3内科
-
柴崎 浩一
日本歯科大学新潟生命歯学部内科学講座
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柴崎 浩一
新潟大学医学部第3内科
-
小嶋 允夫
新潟大学医学部第3内科
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藤田 謦士
新潟大学医学部第3内科
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上遠野 淳
新潟大学医学部第3内科
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小浜 寿彦
新潟大学医学部第3内科
-
吉川 明
新潟大学医学部第3内科
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田代 成元
新潟大学医学部第3内科
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関根 理
信楽園病院内科
-
市田 文弘
新潟大学医学部
-
吉川 明
新潟大学医学部内科学第3教室
-
小嶋 允夫
新潟大学医学部第2生化学
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