超臨界二酸化炭素を溶媒とした尿素付加反応による高度不飽和脂肪酸の分離
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概要
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尿素付加法は通常メタノール溶媒中で, 晶析, ろ過, 洗浄, 溶媒の分離を行い, 高度不飽和脂肪酸を分離する.これらの工程は超臨界流体を溶媒に用いることで簡素化される.本研究では, いわし油由来のモノエステルを原料とし, アダクトの形成と分解, 尿素の反復使用等の実験を行い, アダクト形成反応の最終転化率に及ぼす因子を調べ, 本法の工業的適用性を検討した.アダクトは低温ほど形成し易いが, 転化率は熱力学的な平衡までは到達せずに, メタノール等の活性化剤の有無や尿素量等の反応雰囲気に大きく依存する.また, メタノール等の活性化剤の添加は, ゲスト分子の種類 (組成) にも依存するが, かなり不安定な成分のアダクト形成をも可能にする.アダクトの形成には誘導期が存在し, その期間を過ぎればかなり速い速度で反応は進行するが, 撹拌槽や充填層といった固体尿素との接触方式は転化率にはあまり影響しないことを認めた.
- 社団法人 化学工学会の論文
著者
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新井 邦夫
東北大学工学部生物化学工学科
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鈴木 康夫
宮城県工業技術センター
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斎藤 正三郎
東北大学工学研究科化学工学専攻
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鈴木 康夫
宮工技セ
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今野 政憲
宮城県工業技術センター
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斎藤 正三郎
東北大学工学部 化学工学科
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新井 邦夫
東北大学工学部 化学工学科
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