ニホンウナギのパラコロ病の実験感染に関する研究 : ニホンウナギのEdwardsiella tarda感染症の病理組織学的研究―IV
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
ニホンウナギの大型魚におけるE.tardaの人工感染方法を確立する目的で, 以下の方法で感染実験を行なった。すなわち, 肛門から腸管に外径1mmのシリコンチューブを3〜5cm挿入し, 30%過酸化水素水の0.05〜0.1mlを腸管内に注入して腸管に障害を与え, 18時間後に培養細菌を含むウナギ用配合飼料をゾンデで胃内に強制投与した。投与菌量は1尾あたり2.6×10 4CFU〜8.4×10 7CFUの間の9段階に設定した。投与後, 実験魚の発病状況を観察し, また, 瀕死状態に陥った魚の腎臓, 肝臓, その他の器官の病理組織学的観察を行ない, 以下の結果を得た。 1. 1尾あたりの投与菌量が10 4CFUレベルから10 6CFUの下位レベルでは, 実験魚は5日以降に瀕死から発死に至り, 肝膿瘍か腎膿瘍を発現していた。その病魚の病理組織学的特徴は自然発病魚の特徴とほぼ同じであった。 2. 1尾あたりの投与菌量が8×10 6CFUから8×10 7CFUの高レベルでは腸管障害部での細菌増殖から全身感染に進展して急性に発病・斃死に到る急性例が多かった。
- 日本魚病学会の論文
著者
-
宮崎 照雄
三重大学生物資源学部
-
田中 真二
Owase Branch Fisheries Research Institute Of Mie
-
Gutierrez Miguel
三重大学生物資源学部
-
田中 真二
三重大学生物資源学部
関連論文
- 養殖マハタから検出されたノダウイルスの病原性
- 単クローン抗体を用いた蛍光抗体法によるマダイイリドウイルス感染症の診断
- 中性食塩電解水の殺ウイルス効果
- 皮膚炎を示すニホンウナギから分離されたヘルペスウイルスの性状と病原性
- ニホンウナギにおけるラブドウイルス性皮膚炎
- Study on Vitamin E Deficiency in Amago Salmon
- マダイ仔稚魚の組織・器官の発達に関する組織学的研究
- マダイおよびクロダイ仔稚魚の卵黄吸収と消化管での栄養摂取に関する組織学的研究
- ニホンウナギの腎芽腫の病理組織学的研究〔英文〕
- 蛍光抗体法によるコイ組織内の***モナス菌の検出
- アメリカナマズの脊椎骨折症候群の自然発生例の病理組織学的研究〔英文〕
- アメリカ合衆国におけるアメリカナマズの原虫寄生虫症に関する病理組織学的研究〔英文〕
- 養殖魚の栄養性ミオパチー症候群に関する研究 - IX : ブラウンミールで飼育したコイの病理組織像
- A Histopathological Study of Motile Aeromonad Disease in Ayu
- ヨ-ロッパウナギのウイルス性脳炎の病理組織学的研究〔英文〕
- タイ類の病仔稚魚の病理組織学的研究〔英文〕
- ブリに対する凍結餌料の投与効果
- 養殖真珠貝に大量斃死を起こすアコヤウイルス病 (総特集 魚類防疫--魚病と人間の関わり) -- (2章 養殖生産における疫病)
- ヒラメParalichthys olivaceusのリンホシスチス細胞の微細構造
- アマゴのビタミンE欠乏症に関する研究
- 神経壊死症ウィルスの新宿主スズキにおける病理組織像
- 過酸化水素の Gymnodinium nagasakiense と魚類に対する毒性
- 養殖ブリに対するペプチド鉄の効果と安全性についての研究
- ニホンウナギの腹腔浸出細胞のVibrio vulnificusに対する貪食作用〔英文〕
- オキソリン酸とナリジクス酸の毒性に関する研究〔英文〕
- マサバの変形症に関する研究
- 養殖魚の栄養性ミオパチー症候群に関する研究- VI : コイに対する蚕蛹油と魚油の投与実験 - i : 脱脂北洋ミール基本ビタミンE欠乏飼料
- 養殖魚の栄養性ミオパチ-症候群に関する研究-5-変敗蚕蛹投与によるコイの背こけ症状
- スピラマイシンに対する魚病療法学的研究-2-ブリの連鎖球菌症に対する野外治療効果
- 魚類のイクチオフォヌス症に関する研究-7-イクチオフォヌスの形態と生活史
- 魚類のイクチオフォヌス症に関する研究-4-自然感染魚の比較病理組織学的観察
- 魚類のイクチオフォヌス症に関する研究-5-培養
- ヒラメ仔魚の腸管白濁症の病理組織学的研究
- ニホンウナギのパラコロ病の実験感染に関する研究 : ニホンウナギのEdwardsiella tarda感染症の病理組織学的研究―IV
- アモキシシリンのブリに対する安全性
- トラフグの口白症の病理組織学的研究
- 養殖魚の栄養性ミオパチ-症候群とビタミンE欠乏 (ビタミンEとセレンを考える)
- 鶏卵抗体の魚類感染症防除への利用
- 養殖カワハギとウマヅラハギに寄生していたカイアシ類Peniculus minuticaudae
- 魚類の細菌感染症の病理組織学的研究
- Histopathology of Japanese Pearl Oysters with an Akoya-virus Infection