しょうゆの変異原活性の加熱による変化とβ-カルボリン誘導体の分析
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概要
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本醸造しょうゆ13銘柄, 新式醸造しょうゆ10銘柄, アミノ酸液混合しょうゆ2銘柄について, 加熱した場合も含めて, β-カルボリン誘導体 (MTCA, 1-F-BC), 変異原活性の測定を行い, 両者の関連を調べた。<BR>1) MTCAは本醸造しょうゆ1ml当り平均486μg, 新式醸造平均252μg, アミノ酸液混合平均127μgであり, 本醸造に比べ新式醸造は約1/2量, アミノ酸液混合は約1/4量であった。またいずれのしょうゆも加熱によりMTCA量は変化しなかった。<BR>2) 1-F-BCは未加熱で1mlあたり本醸造で平均0.16μg, 新式醸造で平均0.17μg, アミノ酸液混合平均0.026μgと, 本醸造に比べ新式は1/2量, アミノ酸液混合は1/6量であった。加熱後にいずれの製造方法のしょうゆも約2倍に増加した。<BR>3) 新式醸造しょうゆでは, MTCA, 1-F-BCの含有量の相関係数は0.895と, 正の相関が認められた。4) 亜硝酸処理時の変異原活性は, 本醸造しょうゆ未加熱1ml当り平均21,000 His+ revertants, 新式醸造しょうゆは平均13, 900, アミノ酸液混合は平均7,000で, 加熱後にはいずれの製造方法のしょうゆも変異原活性は約1.6〜2倍に増加した。<BR>5) MTCAと亜硝酸処理時の変異原活性では, 正の相関が認められ, MTCAで本醸造しょうゆの変異原活性の18%, 新式醸造の15%を説明することができた。<BR>6) しょうゆ1ml当りの変異原活性は平均5,000と製造方法により大きな差は認められなかった。加熱後の活性は本醸造しょうゆで20%の増加がみられ, 他のしょうゆでは認められなかった。
- 社団法人 日本栄養・食糧学会の論文
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