顔面神経減荷手術の意義 : 神経内のリンパ流の面より
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概要
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ベル麻痺およびハント麻痺はともにファロッピー管内で発症する.これらの疾患の外科的治療として顔面神経減荷手術が行なわれている.この手術によつて神経管が開放されることは神経に如何なる影響を与えるのであろうか.著者らは本手術の意義を明らかにするため兎の顔面神経に色素を注入し神経内のリンパ流の速度を観察した。兎の顔面神経の茎乳孔より5mmの末梢部位に末梢に向つて,逆行性に螢光物質,あるいは墨汁を毎分0.25mlで5秒間注射した。同一兎の一側は神経管を開放しない非開放側と,他側は神経管を開放した開放側とを比較した.色素は非開放側からさきに注射し,その後3〜4分後に反対側の開放側に注射した.その結果,色素の流れ(リンパ流)は開放側が早いことが明らかとなつた.従つて,ウイルスの増殖や,悪循環はファロッピー管内でおこると推定し,減荷手術は適時に行なわれれば合理的であると結論した.
- 社団法人 日本耳鼻咽喉科学会の論文
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