クローン病の病理
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概要
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近年,炎症性腸疾患(IBD)の概念が明確になるにつれ,クローン病の病理学的特徴も次第に明らかになってきたが,その病理発生には不明の点が少なくない。<BR>本症は回腸や右側結腸を主としておかし,病巣は区域性で,腸壁の肥厚や狭窄および玉石状の粘膜隆起などを主な所見とする。特に,本邦の小腸に病変を有する例では回腸に比較的長い縦走潰瘍が腸間膜付着側に高率に見出され,診断的価値を有する.病変の程度は組織学的に粘膜固有層に比し粘膜下層に高度で,同部には線維比がみられ,腸壁の肥厚を伴う.炎症性変化は全層性に認められ,処々にリンパ球の集簇巣をみるが,特異なものとして類上皮細胞より成る肉芽腫が腸壁の各層に形成される.<BR>肉芽腫は上皮下の粘膜固有層内に先ず形成され,ついでリンパ行性に管内外に肉芽腫を形成しながら漿膜外に達する.この結果,リンパ管炎および周囲炎が起きlymphedemaの原因となり,玉石状の粘膜隆起を来たす.
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