新規抗不安薬・3aα,4β,7β,7aα-Hexahydro-2-(4-(4-(2-pyrimidiny1)-1-piperazinyl)-butyl)-4,7-methano-1 H-isoindole-1,3(2H)-dione dihydrogen citrate(SM-3997)の中枢作用に関する脳波学的検索
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概要
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新規に合成され抗不安作用を示すと考えられている SM-3997の中枢作用を明かにするため,ウサギの自発脳波,脳波覚醒反応,漸増反応および海馬後発射に対する本薬物の効果を検討した.さらに,慢性埋め込み電極を用いたラットの自発脳波について本薬物の効果を検討した.ウサギを用いた急性実験において,SM-3997 は,1〜3mg/kg 静注により大脳皮質脳波を低振幅速波化し,海馬脳波の振幅を低下し,徐波成分を増加した.中脳網様体刺激による脳波覚醒反応の刺激閾値は,1〜3mg/kg 静注により用量依存的に上昇した.大脳皮質および海馬に見られる漸増反応の閾値は,1〜3mg/kg静注によりごく軽度上昇したにすぎなかった.大脳皮質および海馬において海馬刺激により得られる後発射は,0.3〜3mg/kg静注により影響を受けなかった.一方,この後発射は,diazepam 1mg/kg 静注により,抑制された.慢性電極埋め込みラットにおいて,10〜30mg/kg の SM-3997 を腹腔内に投与した時,大脳皮質脳波は低振幅速波化し,海馬脳波は振幅低下と共に徐波成分が増加した.この時,flat body posture が誘発された.これらの結果から,SM-3997 は大脳皮質および海馬の両者に作用するが,特に中脳網様体—海馬系に対して強い抑制作用を持つことが示唆される.
- 社団法人 日本薬理学会の論文
著者
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笹 征史
京都大学医学部薬理学教室
-
広瀬 彰
京都大学医学部薬理学教室
-
高折 修二
京都大学医学部薬理学教室
-
赤池 昭紀
京都大学医学部薬理学教室
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笹 征史
京都大学医学部耳鼻咽喉科学教室
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笹 征史
京都大学医学部 薬理学教室
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