3-Hydroxymethyl-2-methylimidazo〔2,1-b〕benzothiazole(NIK-228)のラットの胃液分泌および実験潰瘍に対する作用
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概要
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新規の3-hydroxymethyl-2-methylimidazo〔2,1-b〕benzothiazole(NIK-228)の胃液分泌抑制作用および抗胃・十二指腸潰瘍作用を検討した.実験動物は,雄性Wistar系ラット(200〜250g)を24〜48時間絶食下で使用した.NIK-228およびfamotidineを経口投与によって前処置し,1時間後に各実験を行なって,その予防的作用を調べた.幽門結紮法を用いて胃液分泌におよぼす作用を検討したところ,NIK-228は,10〜100mg/kgの投与により,famotidineは,0.3〜3mg/kgの投与により用量依存的に胃酸分泌の抑制が認められた.水浸拘束ストレス潰瘍,インドメタシン潰瘍およびShay潰瘍に対して,NIK-228は,10〜100mg/kgの投与により用量依存的な抑制作用が認められた.これに対しfamotidineは,0.03〜0.3mg/kgの投与により,水浸拘束ストレス潰瘍に対して,用量依存的な抑制作用が認められ,インドメタシン潰瘍に対しては,0.3〜3mg/kgの投与により用量依存的な抑制作用が認められた.しかし,Shay潰瘍に対して,famotidineは,0.3〜3mg/kgの投与で著明な抑制作用が認められなかった.エタノール潰瘍および0.6N塩酸潰瘍に対して,NIK-228は,ED50値がそれぞれ2.7および5.6mg/kgと著明な抗潰瘍作用を示したが,famotidineでは,3mg/kgの投与を行なっても有意な抑制が認められなかった.システアミン十二指腸潰瘍に対して,NIK-228は,30および100mg/kgの投与で,famotidineでは,3mg/kgの投与で有意な抑制が認められた.以上のことより,NIK-228は胃酸分泌抑制作用を有し,ラット急性実験胃・十二指腸潰瘍に対して抗潰瘍作用を有する薬物であり,famotidineでは著明な抗潰瘍作用が認められなかったエタノール潰瘍および0.6N塩酸潰瘍に対して,NIK-228が,胃酸分泌抑制作用を発現しない低用量で著明な抗潰瘍作用が得られたことから,胃酸分泌抑制作用と防御因子増強作用を併せ持った薬剤である可能性が推察された.
- 社団法人 日本薬理学会の論文
著者
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島田 英世
北里大学薬学部臨床薬理学教室
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島田 英世
北里大学薬学部(臨床薬理学教室):北里研究所病院
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島田 英世
北里大学薬学部臨床薬学病態解析部門
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鹿児島 正豊
北里大学薬学部臨床薬理
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鹿児島 正豐
北里大学薬学部分子薬理学教室
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星野 隆一
日研化学(株)大宮研究所
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