いわゆるoxidant-drugによる実験的溶血性貧血
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概要
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Aminopyrine200mg/kgおよび60mg/kg,phenacetin200mg/kg,acetylphenyl-hydrazine5mg/kgの連日経口投与により,雌雄ビーグル犬あるいは雑犬にHeinz小体の出現を伴った貧血が誘発された.貧血の程度に平行して,生化学的に血中のhaptoglobinの減少,赤血球中の還元glutathionの減少があり,血液学的に赤血球容積の増加と滲透圧に対する抵抗性の減弱がみられ,投与8週目あるいは16週目に行なった病理学的検査によって,全身のRES系細胞に著明なerythrophagiaとhemosiderosisがみとめられた.これらの所見をいわゆるoxidant-drugによって赤血球の酵索系,特にG-6-PDHに欠損のあるヒトにおこる溶血性貧血と比較し,イヌがoxidant-drugに対して高い感受性を示す機序について考察した.なお,被検薬物の1つとして使用した新しい鎮痛消炎剤31252-S(3-(1-hydroxy-2-piperidinoethyl)-5-phenylisoxazolecitrate)も,aminopyrine,phenacetinにくらぺれば極めて微弱ではあるが,oxidant・drugとしての性格を有することが推察された.
- 社団法人 日本薬理学会の論文
著者
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古川 仁
塩野義製薬株式会社新薬研究所
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松浦 稔
塩野義製薬株式会社 研究所
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今井 清
(財)食品薬品安全センター秦野研究所
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今井 清
食品薬品安全セ 秦野研
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林 裕造
(財)食品薬品安全センター秦野研究所
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古川 仁
塩野義製薬株式会社研究所
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松浦 稔
塩野義製薬株式会社研究所
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