ゴーダチーズから分離した酪酸菌胞子の耐熱性
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概要
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本研究は,チーズ乳の遠心除菌処理で排出されるスラッジ中の酪酸菌胞子の熱死滅条件を推察する目的で実施したものである.ガス膨張したゴーダチーズより分離したたんぱく分解型酪酸菌(Cl. sporogenes K-21)および糖分解型酪酸菌(Cl. butyricum K-53およびCl. tyrobutyricumKS-222)の胞子は,それぞれクックドミート培地およびEAH培地を用い,37°C,10日間培養して調製した.酪酸菌胞子の耐熱性試験は,100,105,110,115および120°Cの加熱温度で,M/15-リン酸緩衝液(pH7.0)中,または脱脂乳(pH6.5)中で行なった.リン酸緩衝液中におけるCl. sporogenes K-21, Cl. butyricum K-53およびCl. tyrobutyricum KS-222胞子は,胞子濃度1×105/mlで,それぞれZ値が14.5,11.7および14.5°C,F値が0.60,0.06および0.15分であった.また,脱脂乳中では,Z値が14.7,11.8および14.1°C,F値が0.19,0.05および0.12分であった.生残曲線からD値を求めると,リン酸緩衝液中におけるCl. sporogenes K-21, Cl. butyricumK-53およびCl. tyrobutyricum KS-222胞子のD値は,100,110および120°Cにおいて,それぞれ6.64,0.57および0.11分,0.91,0.12および0.045分,0.93.0.12および0.053分であった.いずれの加熱温度においても,糖分解型酪酸菌胞子のD値は,たんぱく分解型酪酸菌胞子よりも低値であった.これらの結果から,スラッジの殺菌条件は,少なくとも120°Cで20秒間,または130°Cで4秒間が必要であると結論した.
- 社団法人 日本畜産学会の論文
著者
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豊田 修次
雪印乳業・札研
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阿彦 健吉
雪印乳業 札幌研
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阿彦 健吉
雪印乳業(株)技術研究所
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豊田 修次
雪印乳業(株)技術研究所
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小林 洋子
雪印乳業(株)札幌研究所
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阿彦 健吉
雪印乳業(株)札幌研究所
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豊田 修次
雪印乳業(株)札幌研究所
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