高濃度脱脂粉乳溶液の熱安定性に及ぼす予熱の影響
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概要
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種々の予熱条件でWhey Protein Index (WPI)を変えた脱脂粉乳を作り,15%溶液を封管中120°Cで加熱した時の"熱凝固時間-pH曲線"に及ぼす予熱の影響を調べた.熱凝固時間-pH曲線は,いずれも15%溶液では単一ピークを示した.しかし,熱安定なpH範囲(熱凝固時間-pH曲線で,凝固時間が50分以上を示すpH範囲の絶対値)とWPIとの間には,高い負の相関(相関係数r=-0.811)が得られた.脱脂粉乳溶液のpHは必ずしも最大熱凝固時間が得られるpHと一致しなかった.しかし,両pHの差による熱凝固時間の低下は,予熱を強めて熱安定なpH範囲を拡大することによって,わずかなものとすることができた.この結果は,強く予熱した濃縮乳は熱安定性を増すという理由の一つの説明になり得るものと考えられる.
- 社団法人 日本畜産学会の論文
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