デンプン源および蛋白質源の違いが去勢牛による窒素の消化管部位別消化と窒素出納に及ぼす影響

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反芻胃,十二指腸前位部および回腸末端にカニューレを装着したホルスタイン種去勢牛4頭(平均体重:227kg)を供試し,デンプン源(大麦•ドウモロコシ)および蛋白質源(大豆粕•コーングルテンミール)の組合せの違いが窒素の消化管部位別消化ならびに窒素出納に及ぼす影響を4×4のラテン方格法により検討した.供試した各飼料は,細切乾草と濃厚飼料との混合割合をそれぞれ50%とし,粗蛋白質含量を等しくした(11%).飼料給与量は,日増体量0.7kgに必要な可消化エネルギーを満たす量とした.大麦給与区に比ベトウモロコシ給与区,大豆粕給与区に比べコーングルテンミール給与区で,十二指腸への全窒素と飼料由来の窒素流入量が増加した(P〈0.01).十二指腸へ流入した菌体窒素量はデンプン源の影響を受け,大麦給与によって増加したが(P〈0.05),蛋白質源の影響はなかった.十二指腸に流入した全窒素の小腸内見かけの消化率は,処理間で差がなく,十二指腸への窒素流入量と小腸内消失量との間の一次回帰式から,小腸における窒素の真の消化率は77%と見積もられた.十二指腸への必須アミノ酸流入量と小腸内消失量はデンプン源に影響されなかったが,大豆粕給与区に比ベコーングルテンミール給与区で増加した.しかしリジンの小腸内消失量は処理間に差がなく,また窒素蓄積量にも処理間に差は認められなかった.トウモロコシとコーングルテンミールの組合せは反芻胃内への窒素再循環量を増やすことが示唆された.
社団法人日本畜産学会の論文

デンプン源および蛋白質源の違いが去勢牛による窒素の消化管部位別消化と窒素出納に及ぼす影響

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