幼齢子牛に対する精製栄養素の消化管内注入飼育法

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精製栄養素を消化管内へ注入することによって,幼齢子牛を長期間,飼育する手法について検討した.5〜7週齢にかけて離乳した延べ9頭の子牛の第一胃内へ揮発性脂肪酸(VFA),主要ミネラル,緩衝液,第四胃内ヘカゼイン,微量ミネラル,ビタミンを注入し,離乳後から7カ月齢まで注入精製栄養素だけで飼育した.反芻胃の発達を促進するため,3cmに細切したポリプロピレン製ロープを第一胃内に挿入留置した.離乳直後では,VFA液には総VFAとして0.7〜1.0mol/l,緩衝液には重炭酸塩として0.2〜0.3mol/lの注入液を用いることにより,維持代謝エネルギー相当量のVFAを注入することが可能であった.注入開始後4ヵ月目には,維持エネルギーの2.0倍相当の栄養素を注入することができた.精製栄養素注入飼育期間の日増体量は,栄養素注入レベルが維持の1.3倍の場合は0.3kg,2.0倍では0.8kgとなり,注入レベルに応じた増体が得られた.精製栄養素で4〜6ヵ月間飼育した子牛の反芻胃重量は,全消化管重量に対して49%,空体重に対しては3.1%を占めており,慣行的な飼育をした子牛の反芻胃重量に比べて劣るものではなかったが,第三胃と腸管重量は小さかった.第一胃粘膜は白色であり,第一胃絨毛の形態は櫂状であった.
社団法人日本畜産学会の論文

幼齢子牛に対する精製栄養素の消化管内注入飼育法

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