わが国の主要茶産地におけるカンザワハダニのフェンカプトン,エストックスならびにケルセンに対する抵抗性
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概要
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茶園においてもフェンカプトンならびにエストックスに対して抵抗性を示すカンザワハダニが発現したので,1965〜66年にかけて,わが国の主要茶産地全域を対象としてフェンカプトン,エストックス,ならびにケルセンに対するカンザワハダニの抵抗性の程度を調べた。<BR>供試3薬剤に対して各地産のカンザワハダニは抵抗性と感受性に大別された。抵抗性(R)ならびに感受性雌成虫(S)のLC<SUB>50</SUB>値によるR/S比を求めたところ,フェンカプトン,エストックス,ケルセンいずれもR/S比がきわめて大きかった。現段階では,わが国の主要茶産地におけるカンザワハダニのフェンカプトン,エストックス,ケルセソ抵抗性は次の三つのタイプに区分される。すなわち,フェンカプトソ,エストックス,ケルセンのいずれにも感受性を示すもの,フェンカプトンとエストックスには抵抗性を示すがケルセンには感受性を示すもの,フェシカプトン,エストックス,ケルセンのいずれにも抵抗性を示すものめ三者である。そしてフェンカプトン,エストックス,ケルセン感受性の第1のタイプに属するものは関東(埼玉),四国(香川,徳島,高知),および南九州(宮崎,鹿児島)に分布し,フェンカプトン,エストックス抵抗性ケルセン感受性の第2のタイプに属するものは東海・近畿(静岡,愛知,三重,滋賀,奈良)と北九州(福岡,佐賀)に分布し,フェンカプトン,エストックス,ケルセンのいずれにも抵抗性を示す第3のタイプは京都府に分布していた。<BR>交差抵抗性についてはまだ検討の余地があるが,フェンカプトンとエストックスとの間には交差抵抗がありそうである。しかし,ケルセンとフェンカプトンまたはエストックスとの間の交差抵抗についてははっきりわからない。
- 日本茶業技術協会の論文
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