茶園におけるカンザワハダニ生息密度の季節的消長
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概要
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本報は茶園におけるカンザワハダニ生息密度の季節的消長について述べたものである。1952〜1961年に静岡県金谷町の茶園で調査した結果によると, カンザワハダニの生息密度は年平均値で茶葉1枚当たりの生息数が, 1952〜1959年では0.3〜1.3頭, 1960〜1961年では3.5〜6.2頭であった。ての結果から金谷町の調査園では1952年から1961年にむかってカンザワハダニの生息密度が上昇したことが知られた。茶園におけるカンザワハダニの生息密度は季節によって明らかに異なる。すなわち, 1952〜1961年に金谷町の茶園で調査した結果によると, カンザワハダニは年2回の発生ピークがあってその1つは3〜6月の間, 他の1つは9〜11月の間である。そしていずれの調査年次においても春の生息密度は秋の生息密度より高かった。しかしながらカンザワハダニの発生消長はわが国の茶栽培地帯全体でみた場合には若干異なっていた。すなわち, 1960〜1961年にわが国の大部分の茶産地について調べた結果によると, カンザワハダニの発生はわが国の多くの茶園では春と秋に多かったが, 三重県や奈良県など一部の茶園では春秋の他に夏季にも発生が多かった。
- 日本応用動物昆虫学会の論文
- 1965-09-25
著者
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